第2章 国内外の原子力開発利用の状況
13.原子力産業の展開

(4)今後の展開

 原子力産業は、総合的な装置産業という性格も有しており、原子力開発利用の進展はこれら広範な企業群を維持、活性化させることとなり、ひいては国民経済にも好影響を及ぼすことが期待される。そうした中で、原子力供給産業は調和の取れた複合産業として、これまでの技術力・開発力を維持向上させるとともに、産業として成熟・自立していくことが望まれる。
 原子力供給産業は、今後の原子力開発利用を支える重要な担い手として、①原子力技術の改良・高度化、②信頼性の高い機器、燃料及び役務の供給、③技術の共通化などを通じた経済性の向上、④市場の国際化、国際競争力の向上、⑤核燃料サイクル、高速増殖炉等の今後の展開に向けた技術的基盤の強化などを図っていくことが期待されている。しかしその一方で、原子力産業界の基盤を支える技術者や熟練工などの人材確保が今後重点的に考慮すべき課題となっており、人材の養成と確保を計画的に推進していくことが重要である。


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