第2章 国内外の原子力開発利用の状況
13.原子力産業の展開

(2)核燃料サイクル事業

①核燃料再転換・成型加工事業
 核燃料再転換・成型加工事業の分野は、ほぼ国産化が達成され、高品質な製品を製造している。現在、我が国で核燃料再転換・成型加工を行っている会社は、三菱原子燃料(株)、日本ニユクリア・フユエル(株)、原子燃料工業(株)及び日本核燃料コンバージョン(株)の4社ある。

②ウラン濃縮・再処理等の核燃料サイクル事業
 ウラン濃縮については、青森県六ケ所村の日本原燃(株)での商業用プラントにおいて、1994年9月に600トンSWU/年の第一期分が完成した。第二期増設分450トンSWU/年については1993年7月に既に国の事業変更許可が与えられており、そのうち300トンSWU/年については、既に操業を開始している。残る150トンSWU/年については、1998年10月に完成の予定である。同プラントについては2000年過ぎ頃に1,500トンSWU/年規模となる計画である。

表2-13-3 我が国のウラン濃縮事業

表2-13-4 我が国の核燃料再転換・成型加工事業

 再処理については、日本原燃(株)により商業用再処理施設(処理能力800トンU/年)の建設が六ケ所村において進められている。本施設は、1992年12月に内閣総理大臣の再処理事業指定がなされ、1993年4月に着工した。本施設は、1998年に使用済燃料プールの竣工、2003年の操業開始を目指している。
 返還廃棄物の貯蔵については、1995年1月、ガラス固化体1,440本分の管理能力を有した廃棄物管理施設が完成し、1998年3月までにフランスから日本へ3回の返還輸送が行われ、合計128本のガラス固化体が搬入された。
 低レベル放射性廃棄物については、1992年12月、日本原燃(株)により低レベル放射性廃棄物埋設センター(埋設能力4万立方メートル)が六ケ所村において操業を開始している。本センターは、今後逐次増設され、最終的には埋設能力を60万立方メートルとする計画である。


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