第2章 国内外の原子力開発利用の状況
7.軽水炉体系による原子力発電

(2)ウラン資源の確保と利用

 原子力発電の安定性を確保する観点から、天然ウランの安定確保を図ることが重要であるが、少なくとも今後十数年間は世界のウラン価格は安定的な状態にあると推定され、また、我が国の電気事業者は今後10年近くの必要量をカナダ、オーストラリア、英国などから主として長期購入契約により確保している。当委員会は1998年2月、これら天然ウラン市場概況及び今後の見通し、核燃料関連事業の進展などを踏まえ、海外ウラン探鉱については、動燃の探鉱活動は、適切な過渡期間をおいて廃止し、国による必要な助成の下、民間活動に委ねることとした。
 動燃の探鉱技術、人材及び権益の取扱いについては、天然ウランの安定確保も踏まえ、国、動燃及び民間の関係者間で検討を行うこととしている。
 また、鳥取県東郷町方面地区のウラン残土については、1997年9月、鳥取県が東郷町に対し、同町内において安全な措置を講じた上で保管することについての検討を依頼されているところであり、この結果に従って動燃/新法人は責任を持って対応することとしている。

表2-7-1 世界のウラン資源埋蔵量(1997年1月1日現在)
(単位:1,000㌧U)
国     名
確認埋蔵量*1
オーストラリア
カザフスタン
カナダ
米国
南アフリカ
ナミビア
ブラジル
ロシア
ウクライナ
ウズベキスタン
モンゴル
インド
ニジェール
中国
日本
その他
895
861
430
361
358
295
262
182
131
130
83
76
71
64

346
合  計
4552
調整後合計*2
4363
資料:OECD/NEA,IAEA“URANIUMResources,Production,Demand1997”
注)*1:ここで確認埋蔵量とは出典資料の「既知資源」に該当。
  *2:調整後合計は、採鉱・精錬ロスを差し引いた値。


目次へ           第2章 第7節(3)へ