第2章 国内外の原子力開発利用の状況
3.核不拡散へ向けての国際的信頼の確立

(7)原子力関連資機材の輸出に関するガイドライン

 核不拡散への取り組みにおいては、核兵器開発に使用される可能性のある資機材・技術の輸出規制を行うことも重要である。
 1974年のインドの核実験を契機に、核不拡散の強化に向けて、我が国を含む主要原子力供給国の協議が行われ、非核兵器国への原子力資機材・技術の輸出規制枠組みとして、1977年、いわゆるロンドンガイドラインが合意された。同ガイドラインでは、対象貨物・技術の輸出相手国がIAEAのフルスコープ保障措置の適用を受け入れていることなどを輸出条件としている。
 さらに、1992年には、湾岸戦争後に発覚したイラクの核開発を契機として、原子力専用品のみならず原子力関連汎用品を規制対象とする、新たな輸出規制枠組みのロンドンガイドライン・パート2が合意された。これらのガイドラインを遵守している我が国を含む35ヶ国からなる輸出規制の枠組みを原子力供給国グループ(NSG)と称するが、我が国としても、在ウィーン国際機関日本政府代表部が事務局の役割を果たすなど、NSGの活動に積極的に貢献している。
原子力関連汎用品:民生用途に用いられる資機材のうち、核爆発活動または核燃料サイクル活動にも利用することが可能なもの。例えば、遠心分離装置のローターを製造することができる高性能な数値制御工作機械、強度の強いアルミ合金製パイプなど。


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