核燃料サイクルの推進について



平成9年6月20日
原子力委員会委員長談話


 1.
 一昨年12月の「もんじゅ」のナトリウム漏洩及び本年3月の東海再処理施設アスファルト固化処理施設の火災爆発という動燃事業団の二度にわたる事故は、 原子力に対する国民の不安、不信を惹起し、今後の原子力開発利用、特に核燃料サイクルの円滑な展開に少なからぬ影響を及ぼしている。

 2.
 他方で、エネルギー資源の大宗を輸入に依存する我が国のエネルギー供給構造の脆弱さ、地球環境問題への対応の必要性等を踏まえれば、 我が国にとって原子力発電を今後とも安定的に進めていく上で、核燃料サイクルの重要性はいささかも変わるものではない。

 3.
 従って、本年2月4日の閣議了解「当面の核燃料サイクルの推進について」に示された方針に則り、政府は、 六ヶ所再処理工場計画の着実な進展やプルトニウムの軽水炉利用(プルサーマル)の実施、使用済燃料の貯蔵・管理対策等諸般の施策を図っていくことが重要である。